ジオバチルス菌について

ジオバチルス菌(ジオバチルス サーモデニトリフィカンス, Geobacillus thermodenitrificans(旧分類名;Bacillus stearothermophilus) K1041)は中等度好熱性のグラム陽性桿菌であり、55-60℃付近で良好に生育する特徴があります。鳥取大学工学部 鈴木 宏和 准教授は、本菌株による異種タンパク質の生産を可能とする発現ベクター、形質転換方法の開発に成功しました。当社は、その技術移転を受け、本生産系を用いた組換えタンパク質の受託発現サービスを開始いたしました。

本菌株は、当社で従来よりタンパク質生産用宿主として使用しているブレビバチルス菌と同様にグラム陽性菌であり、一般に汎用されている大腸菌と異なり、エンドトキシンを保有しないこと、菌体外の培地画分中への分泌生産にも対応しているという優位性があります。また、耐熱性酵素などは、フォールディングの際に高温条件が必要なケースもあり、このようなタンパク質の生産においても、その利用にメリットがあると考えられます。

本菌株を使用したタンパク質の生産に興味がある方は、お問い合わせフォームより、ご連絡をお願いいたします。

    • 生産例

 

参考文献・資料

1) 中等度好熱菌を利用してタンパク質をつくる. 鈴木 宏和.
バイオインダストリー 11, pp.15-21 (2021)[link]
2) Development of a thermophilic host-vector system for the production of recombinant proteins at elevated temperatures
Ryota Kurashiki, Kosuke Koyama, Yukina Sakaguchi, Yuta Okumura, Takashi Ohshiro, Hirokazu Suzuki
Appl Microbiol Biotechnol. 2023 Dec;107(24):7475-7488. doi: 10.1007/s00253-023-12805-9. [link]
3) A newly isolated Bacillus stearotheromophilus K1041 and its transformation by electroporation
Issay Narumi, Kazumi Sawakami, Shinya Nakamoto, Noriyuki Nakayama, Tadashi Yanagisawa, Nobutaka Takahashi & Hiroshi Kihara
Biotechnology Techniques volume 6, pages 83–86 (1992) [link]
4) New Platform for Screening Genetic Libraries at Elevated Temperatures: Biological and Genomic Information and Genetic Tools of Geobacillus thermodenitrificans K1041
Kosuke Koyama, Yui Mikawa, Shota Nakagawa, Ryota Kurashiki, Takashi Ohshiro, Hirokazu Suzuki
Appl Environ Microbiol. 2022 Sep 22;88(18):e0105122.doi: 10.1128/aem.01051-22. [link]